オニゴロシ


「だから言ったでしょ?
私はもう、誰のことも殺す気なんてないの」

「私は桃ちゃんに死んでほしくない!!」


大谷さんが大きな声でそういった。

それに‥‥、と、更に話を続ける。


「私は、この中で一番足が遅いし、このゲームが最後の一人になるまで終わらないならどのみち一緒だよ」


ゴクッと皆が唾を飲んだのがわかる。


そうだ、これは仮にも鬼ごっこ。

それに、誰でも生き残れる可能性が

あるわけじゃない。

このゲームは、鬼にならない強運、

そして体力と

足の速さは必要不可欠になってくる。


「どうせ他の人に殺されるくらいなら、
私は、桃ちゃんに殺されたい」


私がもう一度、

ゴクリと喉を鳴らしたその時――‥‥


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