フーゾク嬢の結婚
はじめに
私はつい半年前に結婚をした。今、26才。
適齢期といえば適齢期。

でも、ほんの2年前までは、風俗というお店で働いていた。
そう、22才から2年間。
風俗って、どういう場所かわかる?

基本的にお客さんは男で、働いているスタッフは女。
ああ、お酒飲んでワイワイやっているところって?

違うんだ。それはいわゆるキャバクラやスナックなどと言われる。

私がいたところは、もっともっと、ディープな性の世界で・・・
要するに私はしゃべりよりももっともっと体を使い、お金をもらっていた。
でも、セックスはしていない。
ちょっとセクシーな恰好をして、お客さんをマッサージして、手を使ってお客様にサービスをする。
はじめから終わりまで、この両手で気持ちよくさせてあげる。

それが仕事。
もちろん、お客さんから触られたりもする。
商売柄、しかたないことなのかもしれないけれど・・・
でもそんなのイヤに決まってる。
なのに、こんな世界に居続けた理由は、・・・やっぱりお金だろうか?

私は1年に1回くらいのペースで入院してしまうほど体が弱い。
でも、帰る家は自分のアパートだけなんだ。つまり身寄りがない。
両親はそれぞれ私が中学、高校の時に亡くなってしまった。

医療が進んでいるのでいい薬が出ているとはいえ、私は必ず入院をする。
そして、入院をしてしまうため、どこの会社でも働くことができない。
すぐクビになってしまう。実際、これで3社の退職を強いられた。
かといって役所に生活保護をもらうほどの大病じゃない。

だから、短時間で高価格といえば、こんなのしかないんだ。
楽しいこともあったけど。
このお店のドアを叩いてくる人は、普通の人ばかりだったし、むしろ会社の重役であったり社長であったり、医者であったり弁護士であったり。
自分の人生の先輩、日本を作ってきた先輩達と、場所はこんなところでも、開放的にお話しするのはすごく楽しかった。



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