フーゾク嬢の結婚
その反面、辛いこともあった。
必要以上に私の体を触ってくる客、ほぼ女の子のレイプ目的で来る客、入れ墨だらけのやくざ。
帰り道1人で涙をすすりながら帰ったこともあったっけ?
怖いよ・・怖かったよ・・

でも、帰るところは一人暮らしのアパート。
日払いの給料を受け取り、終電10分前に店を出て、ダッシュで駅のホームに向かう。
そしてギュウギュウの電車にもみにもまれながら乗り込む。

20分して下りる。

「ただいま」
誰もいない、当たり前か。
さみしいな、さみしいね。飼っているハムスターのチコちゃんに餌をやる。

ふぅ・・・バタンとベッドに倒れ、私は寝た。シフトは週3日なので、二日後にまた出勤する。

こんな生活をし続けていたある日、私はその人と出会った。
そう、その人とはつまり・・・今の夫である。
夫になる人は、ある雨の夜に店に駆け込んできた客だった。
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