ゆりかご
「遅かったじゃねーか。」

どうやって家まで帰ってきたのか…リビングに入ったあたしを待ち構えていたのは、お兄ちゃんだった。

「…。」

あたしは黙って冷凍庫にアイスをしまうと、リビングを出て自分の部屋へあがっていった。

ぱたんと部屋のドアを閉めると、買い物したショップの紙袋や自分のバッグを置いて、そのままベッドに突っ伏した。

「…。」

翔矢……今頃、雪乃と何してるの……?


「……っく………しょ……矢ぁ……。」

なかなか会えなかったり、チュー止まりだったり……それは、こーゆうことだったの?

あたしとじゃなくて、雪乃と……してるの?

「翔矢の彼女は、あたしだよぉ……!」

この前のことと言い、雪乃とただの友達じゃないことくらい、わかるよ…!


「おい繭子!アイスがドロドロじゃねーか⁈」

「お兄ちゃ…。」

アイスがドロドロの理由は、あたしが真っ直ぐ帰らなかったからだろう、お兄ちゃんがスゴイ剣幕で部屋に入ってきた。

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