ゆりかご
「て…お、おい、どうした?ハラでも痛いのか?」

あたしのヒドイ顔を見て、アイスのことなど忘れて驚いているお兄ちゃん。

「違うし…。お兄ちゃんだって泣きたい時くらいあるでしょ。」

涙を拭きながら、お兄ちゃんの方を見るあたし。

「アイス…冷凍庫に戻して少し待てば食べれるよ。ごめんね。」

「ん?おう。ジャマしたな。泣け。泣きたい時は泣け。鼻もかめよ。」

お兄ちゃん…。

「うぅ…うぇっ……。お兄ちゃーん!わぁーっ…!」

「うわ…待て!俺が出て行ってから泣け!」

「嘘つきー!信用しろって…言ったくせに!わぁーん…!」

「何だよそれ…⁈俺は言ってねーぞ。あーもぉ、泣け!」

そう言って、あたしの頭をガシュガシュっと乱暴気味になでて、そのままあたしの頭を包んでくれた。

あたしが、泣き顔を見せなくていい様に…それともお兄ちゃんが見たくないだけ、かな。

あたしは、泣けるだけ泣いたーーー…。


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