ゆりかご
「繭子ごめんね、ちょっと待って。」

そう言って美羽は、視線をホワイトボードへ移した。

「保健の先生、会議だって。先にこれ書いちゃお。」

保健室には、先生が不在の時に記入する用紙があり、そこに日付や時間、氏名などの必要事項を記入してから休むルールになっている。

「よしオッケー。窓際のベッドにしよっか。」

「…うん。」

少しずつ落ち着いてきたあたしを、美羽は丁寧に促してくれた。

ベッドに2人で座り、あたしはゆっくりと土曜日見た事を話したーーー…。

彼氏の翔矢が、幼なじみで親友の雪乃の家にーーーその時のやりとりや、その前にコンビニで遭遇した時のこと、更には少し前に、雪乃が打ち合わせだと言って、翔矢の家に行ったこと…。

「…だから、だからね……ホントは、翔矢の応援に…行きたいんだけど……会うのが…怖くて……。ゆうちゃんに、誘われて…思い……だししちゃって…。」

話の後半、あたしはまた泣けてきて…それでも美羽は、聞いてくれた。


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