ゆりかご
「え…?いいも何もメールした通りだよ。あたしとコータローは、友達。」

そう、友達。

じゃなきゃ、ゆうちゃんに話せない。

「繭子ってゆうちゃんに気ぃ遣ってない?」

「なにを…?」

「…別に?」

美羽は、あたしの言葉に納得していないようだった。

浮気されてるとはいえ、あたしはまだ翔矢の彼女ーーーだから今は、この立ち位置をハッキリさせなきゃいけないんだ。

「気ぃなんか遣ってないよ。だってあたしとコータローが友達なのは、ホントのことじゃん?」

確かにコータローとは、この短期間で色々あった……。

でも、過ぎた事、過去の事として話せば…ゆうちゃんもきっとわかってくれる……そんな期待をしてるあたしは、ただの都合のいいヤツなんだろうか。

でも…さっきのゆうちゃん……気になるな。

教室に着いてあたしの視界に入ったゆうちゃんは、机に突っ伏していて、表情などをうかがうことは出来なかった。


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