ゆりかご
「ゆうちゃん、どっか調子でも悪いのかな?」

「んー…あたしと話してた時はそんな風に見えなかったけど。」

再び、首をかしげる美羽。

「…。」

何だか、イヤな予感。


ーーーそのイヤな予感が、こんな時に限って的中しなくてもいいのに…。


「あれー、ゆうちゃん今日お弁当じゃん。めずらしい。」

お昼休み、愛衣が目を丸くしていた。

「…うん。」

伏し目がちで、元気がなさそうなゆうちゃん。

毎日のように売店に足を運んでいたのに……コータローと、何かあったのかな…。

「な、なんかあったの…?」

あたしは思った事を口にしただけだった…それなのにゆうちゃんは、

「繭子には関係ない。」

「…!」

あたしの目も見ずに、ピシャリと言ったのだった。

比較的おっとりタイプのゆうちゃんから、こんなにキツイ一言をもらうなんて思っていなかったあたしは、何も言えず固まってしまった。



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