ゆりかご
収拾がつかない心の中を、必死で何とかしようとするけど、何とかできるだけの材料が…ない。

「悪いけど、繭子は来ないでくれる…?」


ドクン…!と、あたし自身が激しく揺れ始めた。

どうしようもなくて、もう…抑えておけなかった。

「ちょっと繭子…⁈」

あたしは雪乃の腕を引っ張り、コンビニを出て歩き出した。

「繭子…!どこ行くつもり⁈」

「…。」

雪乃の言うことも無視して、腕を引っ張って歩いた。


「…いい加減にしてよ!」

雪乃が怒りを露わにし、あたしの手を振りほどいたのは、ちょうど公園の前まできたあたりだった。


「雪乃は…翔矢のなんなのぉ⁈」

泣きたいのをグッとこらえ、あたしは雪乃の顔を見た。

「この前のメールだって…シカトしたままだし!」


「繭子こそ、翔くんの何なの?」

「は…?」

あたしが翔矢の何って……何を言ってるの?

それは雪乃も良くわかってるハズでしょ…。


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