ゆりかご
「あれー、清田さん?」

…⁈

背後から聞こえてきたのは、最近覚えた声と、音。

シャラシャラというアクセサリーの音が、あたしに追いついてきた。

走りながら視線を右上に移したそこには、自転車に乗ったコータローの姿があった。

「おはよう。」

あたしの走るペースに合わせて付いてくるコータローが、笑顔であいさつしてきた。

「…っはぁ……。急がないと…間に合わないんだから…ッ、話しかけてこないでよね……ッ!」

「…じゃぁ、後ろ乗る?」

息を切らせながら何とか走っているあたしに、コータローが涼しい顔して言った。

「…。」

でも、そんな事したら、また噂が…。


「噂なんか気にしなくて良くね?そんなことより遅刻したら大変だし。」

また、あたしの気持ちを見透かしたコータローは、ゆっくりと自転車を漕ぐ脚を止めた。



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