私を本気にさせないで
彼に伝えた気持ちは本心だった。

激しく嫉妬してしまうほど、私は本気で大森君を好きになってしまっていたのだから。

溢れ出た気持ちはどうしようもなくて、逃げるように大森君の腕を振り払い、走り出した。


言った言葉に嘘はない。
だけどどうしてあんな言葉を言ってしまったのだろうか。

好きって気付いた時、悟ったはずだったのに。
傷つくばかりが恋愛じゃないって。

そもそも私はズルイ。
だって一度も大森君に自分の気持ちを伝えていないのだから。
それなのに勝手に嫉妬して、自分勝手な言い分を言い捨てて逃げるなんて、最低だ。

でもどうしようもなかった。
だって大森君がイブの日、私とデートしてくれないかもしれない。
本当にあの子達とのパーテイーに出席するのかもしれないと思ったら、言葉が勝手に出てしまったのだから。
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