私を本気にさせないで
「白田先輩、俺にドキドキしているでしょ?」

「……っ!」

息を吹きかけられた瞬間、異常に身体が反応してしまう。
そんな私を見て彼はまた可笑しそうにクスクスと笑うだけ。

悔しい。
そう思うのに、なにも言葉が出てこない。
悔しいけど、彼の言う通りドキドキしちゃっているから……。

「ねぇ、白田先輩……キス、してもいい?」

妙に色っぽい誘い文句に驚き目を見開いた瞬間、一気に縮まる彼との距離――。

「……ンッ!」

思わず声が漏れてしまう強引なキスに、ギュッと瞼を閉じる。

いつの間にか回されていた腕によって抱きしめられており、彼のキスから逃げる道がない。
抵抗しても全然びくともしない。

やだ、苦しい……!

呼吸さえまともにできなくて、息苦しさを覚えていく。
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