無口なセンパイに恋した仔羊
「自分のしでかした事、わかってねぇな」

「…す、すびません」

おでこを押さえ、涙目で謝罪する。

「…昨日のペナルティ。…晩飯奢れ」
「…へ?」

「…それで、ちゃらにしてやる」
「…そんな事でいいんですか?」

「…財布は空になると思え」
「…⁈」

「…帰る」

「そ、そうですね。あの、仕事間に合います?」

玄関に向かう進藤さんの後ろをついて行く。

無言で出た進藤さん。

…⁈…ウソ、だよね?

今迄見た事なかったお隣さん。

「…余裕」

それだけ言うと、鍵を開け、中に消えて行った。

そのお隣さんが、まさか、進藤さんだったなんて。
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