絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
翔吾……。


あたしは通路に置いてきた翔吾の亡骸を思い出した。


こんなことになるなら……まだ続いていくのなら、翔吾の亡骸と一緒にあの部屋に止まった方がよかった。


そうすれば一緒に逝くことができたのに……。


そう思っていると、優しい手があたしの背中を撫でた。


ハッとして視線を移動させると、そこには心配そうな顔をしている優也さんがいた。


「君……朱里ちゃんだっけ? 顔色が悪いけど大丈夫?」


そう聞きながら、子供をあやすようにあたしの背中を撫でる。


「ちょっと……ショックで……」


「だよな。俺だってそうだよ。もう出られると思ってた」


そう言い、優也さんは悔しそうに唇を噛んだ。


「あたし……前の部屋で彼氏と2人になったんです」


「え?」


優也さんが驚いたようにあたしを見る。
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