絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
「だから俺は勲さんには何も教えなかった」


「おい……ちょっと待ってくれよ……」


怯えた様子で勲さんが後ずさりをする。


あたしも、その理由にすぐに気が付いた。


『勲さんには教えなかった』ということは、他の2人は知っていたことになる。


そして互いに協力し合って残りの写真をそれぞれの箱へ投じていたとしたら……勲さんの勝率だけきわめて低くなるわけだ。


「俺の写真の4枚は朱里ちゃんへ。夏子さんの残りの4枚は俺と昭代さんへ。昭代さんの残りの4枚は俺と夏子さんへ。つまり、どの投票箱にも5枚ずつ入っていると言う事なんだ」


説明を聞いていた勲さんの表情がひきつる。


「ただ、朱里ちゃんが最初に誰の写真を入れたのかがわからなかった。だから、俺の入れた4枚のうち1枚が朱里者ちゃんの投票者と被っている可能性はある。


他は、あらかじめ打ち合わせをした通りに投票していれば、AからEまですべての写真が入っていることになり、死者は出ない」
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