絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
年代別のメンバーになってから、互いにどうしてここへ連れてこられたのか、という話しはしていない。


あたしが下位レッテルを貼られた理由を、優也さんは知らないのに。


「なんとなく、男の勘ってやつかな」


優也さんはそう言いながらゆっくりと歩き始めた。


あたしはそれに付いて行く。


「朱里ちゃんは、他の奴らとは違うと感じたんだ。この子はこんな場所へ来るべき子じゃないってね」


そう言い、微笑む。


その言葉にあたしの目には自然と涙が浮かんできていた。


「あ……たし……」


震える口が、ここへ来た経緯を話し始める。


ここへ来るべき人間じゃなかったのは、翔吾も同じだった。


それなのに、翔吾はこんな建物のなかで死んでいった。


冷たい部屋の、冷たい床の上で……。


翔吾の死に顔を思い出し、涙が更にあふれ出した。


「そうか。辛かったね」


話し終えると優也さんがあたしの頭を優しくなでてくれた。
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