オトナな部長に独占されて!?



人を掻き分け、慌てて部長デスクの横に行き、ひとりだけツラっとしている葉月部長に説明を求めた。



「ぶぶぶ、部長!
一体これは、どうなってるんですか⁉︎」



「“ ぶ ” が3つ多いです。
高村さん、落ち着いてください」



「落ち着けるわけないじゃないですか!

人事会議がいつもと違って長引いていたのは、私のせい? この飛び級的な昇進のせいですか?

はっ! もしかして、葉月部長が会議で何かをしたってことですか⁉︎」



ざわつく営業部の広いフロア。

後から続々と出勤してきた人達も、ホワイトボードを見ては驚きの声を上げ、

『どうなってんの?』『さあ?』と、ヒソヒソ話す声が聞こえてきた。



葉月部長は回転椅子を90度回して、私の方に体を向ける。


プチパニックの私と対照的に、部長は余裕のイケメンスマイル。

長い足を組み、革張りの肘掛けに両腕を乗せて、落ち着き払った声で私に言った。



「その辞令は、私の命令ではなく社長命令ですよ。最終決定権は社長にありますので。

私は営業部の部長として、成績と業務態度を上申しただけです。もちろん、高村さんについてのみではなく、皆さんについてですよ。

会議内容は守秘義務がありますので言えませんが、この度の昇進は高村さんの力が認められた結果であるのは間違いないこと。

高村さん、おめでとうございます。
これからのあなたの活躍も、期待しています」




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