オトナな部長に独占されて!?
パラパラと拍手が湧いて、それが大きくなる。
『高村さん、おめでとう』と、本心かは分からないけど、お祝いの言葉があちこちから掛けられた。
私はまだ驚きの波が引かず、素直に喜べない。
本当にいいの?
この半年で私がしてきたことって、飛び級で昇進できるほどのことなの?
確かに死に物狂いで頑張ったし、結果もついてきた。
でもそれは葉月部長に導かれ、支えられて成し遂げられたことであって、私ひとりの力じゃない。
私が何を戸惑っているかについて、葉月部長は分かっているような顔をしていた。
その上でダークブラウンの綺麗な瞳が、『余計なことを言わないように』と無言で釘を刺してくる。
「皆さん、盛り上がるのはここまでにして下さい。朝会を始めましょう。
杉野係長、進行をお願いします」
部長の言葉で、皆ぞろぞろと各自のデスクに戻っていく。
私だけはまだ、部長の横に立ち尽くしたまま動けずにいた。
「あの、部長……」
「高村さんは嬉しくないのですか?」
「いえ、嬉しいことは嬉しいのですけど……」
「あなたには係長相当の実力があります。
戸惑う必要はありません。自信をもって辞令を受け取りなさい。わかりましたね?」
「はい……」