オトナな部長に独占されて!?



当たり前だがこの場合、質問とは仕事に関することのみだ。


それなのに、私の隣のデスクにはおかしな質問をしようとしている女子がいた。


「は〜い、質問ありま〜す!」


シナを作りながら立ち上がったのは、立花 萌(タチバナ モエ) 。

私の一年後輩で、私とは真逆の性格をしている。

いかにも女の子といった容姿の彼女は、ピンク系のオフィススーツのスカートをひらひらさせ、甘ったるい声でずれた質問を始めた。



「第二営業部の立花萌、24歳で〜す。よろしくお願いしま〜す。

葉月部長は〜、何歳ですかぁ?

それとぉ、指輪をはめていませんけどぉ、独身ですかぁ? 彼女とか、いますぅ?」



彼女の質問にドン引きしているのは、きっと私だけじゃない。


電話中の社員の声以外は誰の声も聞こえない静かなフロアに、『まずいんじゃないの?』と言いたげな空気が漂っていた。


葉月部長の反応が気になる……。

怒るのか? 普通なら怒るよね?

それとも呆れる?

まさか、かわい子ちゃんにロックオンされて、喜ぶ馬鹿じゃないよね?


たとえ怒られたとしても、それは私に向けてじゃない。

それでもなぜか焦る私と、くねくねしている立花萌の方にイケメンスマイルを向け、葉月部長は淡々と答えた。



「31歳独身です。
女性との交際については業務に関わりのない私的なことですので、答えません。以上です。

他にご質問のある方は……いませんね?
それでは皆さん、仕事を始めてください」



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