オトナな部長に独占されて!?
大黒さんと並んで、お客さんで賑わう出入り口付近を眺めていた。
この仕事を引き受けて良かったとしみじみ思う。
あっちこちで怒られて、頭を下げて、自分の未熟さを痛感した。
それと同時に、今までの自分の態度を反省。
強がって、意地を張るばかりで、中身が伴っていなかった。
自分ではそこそこやれていたつもりでいたけど、まだまだだった。
女を馬鹿にするなと怒る前に、もっと成長しないと。
それに気づくことができたら不思議と、怒りも悔しさも、どこかに消えてなくなった。
角が取れ、少しは丸くなった心で自分が関わった居酒屋を見ていたら、大黒さんが「あのよ……」と、なぜか言い難そうな感じで話しかけてきた。
「高村さんよ、その……悪かったな」
「はい?」
突然謝られたことに首を傾げる私。
いつも『お嬢ちゃん』と呼ばれていたのに、突然名前で呼ばれたことも不思議だ。
大黒さんはバツの悪そうな顔をして、頭をポリポリ掻いて、私の目を見ようとしない。
「俺は、娘もいねーし、若い女の子と何喋っていいのか分かんないオッサンだけど、次も頼むわ。
再来週にでも連絡するから、よろしく」
「は、はい!
ありがとうございます!」
大黒さんは片手を上げて私に背を向け、店舗の中に消えていった。
私は……深々とお辞儀をして、目に涙がにじんでいた。