恋愛格差

次の週も優は終電かそれに近い時間で帰ってきた。
カズと幸代さんに話したことで少し気が楽になった私は
気にすること無く過ごし、
週末を迎える。

金曜日、昼休みにスマホを確認したら幸代さんからメールが届いていた。

『今日、吉岡くんと一緒に残業するから。でも８時には終われると思う。てか、帰らせるから。』

『じゃあ最寄り駅で８時前から張ってます。』

なんてメールをやり取りして急いでその日の仕事を終えた。

「お先に失礼しますっ！」

残業を言い渡されない内に席を立つと、三池さんが「おっ、デートかぁ？」とニヤニヤしていた。

「あ～まぁそんなもんですよ。」
適当にあしらって社屋を出る。

随分と日が落ちるのが早くなって、すっかり真っ暗。
冷たい風を鼻先に感じた。

今日、どんな優を見るんだろう。

女の子とホテルでも行くのか。
それとも香水キツめのお姉さまと同伴とか……

優が何も言わないのにそれを突き詰めていいものか。

だけど、
今の優は、優が望んだ自分ではないハズ。

その直感だけを信じて
足を踏み出した。