幸せ行きのチケット
あれから私は、チャイムが鳴っても授業に参加しなかった。

風邪をひいたと気持ち悪いからを理由に保健室で休んだ。

涙を見せればすぐに保健室の先生は休ましてくれるが、今日は涙が出ない。

どうすればさぼれるのだろうか。

保健室の前でたむろしていると、急に保健室のドアが開いた。

目の前には、男子がいた。

ただ、同じ学年ではないと分かった。

あまり見ない顔のその子は、私の顔を見て少しびっくりしていた。

「あ、今先生いないですよ。」

その子は私にそう教えてくれた。

「そっか。ありがとう。」

今日はサボれないのかぁ。

でも今教室戻るのは、なんか気まずい。

亜由美もいるし。

こんな顔だし。

< 98 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop