COLORS 赤の章「この色を君に捧げる」
麻衣子はこぼれる涙を拭うことも忘れ、その手紙の封をきる。

『1年後の麻衣子 
 
 元気ですか?オレは君に病気のことを結局言えなかった。君にはずっと笑顔でいてほしかったから。最後の電話、君が別れたいというなら、それもいいと思った。オレには時間がないってわかっていたから。麻衣子、君が赤を嫌いになったのは、オレのせいだね。オレは覚えているよ。初めて会ったとき、君は真っ赤なセーターを着てオレに微笑んでくれた。その姿がとても眩しかったのをオレは鮮明に覚えている。君が赤を嫌いになったのは、オレの前の彼女が好きだった色だからだろう?オレは知っていたのに・・・、ごめんな。オレは最後にこの色を君に贈る。この色は君に一番似合う色だから・・・』

涙が止まらない・・・!!

拓哉、ごめんなさい。

拓哉は全部知ってて私のわがままも、誤解も全て受け入れてくれてたのに・・・!!

ガサガサ・・・。

プレゼントの封を開ける。

それは、私の好きな色。

ほんとは大好きだった色。

・・・赤の・・・セーター。

降りしきる雪の中、麻衣子はセーターを抱きしめ雪の中に崩れ落ちる。

拓哉、わかってた。

私の大好きな色、ほんとは、知ってたんだね。

『P.S
  麻衣子、その赤を着てもう一度笑って・・』

雪のクリスマス。

拓哉の優しい声が麻衣子の胸に響き渡る。


< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop