愛も哀も
「翔。そろそろ支度しなさい」




「はい」




支度何て言っても出掛ける訳ではない。



仕事をする。




上から殺しの指示がだされたから。




上というのは如月一家や他の一家をまとめる支配人のこと。




上手くやれば殺るほど金が貰える。




この世は戯れ言が通る世界じゃない。




この世は私達が思っている以上に残酷なの。




私がそれを知ったのはわずか四歳......。




今となればどうでもいい話。




どんなに神に願おうと人生はもう決まってしまっているんだから。




「願うだけ無駄......」
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