夏とサイダーと手紙
握った手から伝わる冷たさ。

触れた唇から伝わる冷たさ。

キンキンに冷え切ったサイダーの冷たさを、瓶はそのまま伝えてくれる。

それだけでなく、味も抜群に美味しく感じる。

それに比べ、ペットボトルは何故か人工的で無機質に感じるのだ。

「ありがとっ!」

急いで店を出て瓶を右手に持ちながら、防波堤の切れ目にある緩やかな階段を下っていく。
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