空に浮かぶ虹、アスファルトに浮かぶ虹
「あれ、お前、さっきあがったばかりだろ。どうした?」
店長が、まず口を開いた。
「俺みたいにさぼってると、ダブるぞぉ。」
宙が茶化した。
そんなふたりのやりとりを無視するかのように、晴は真面目にふたりに頼み込んだ。
「店長。先輩。原チャのエンジンかからないんすよ。これじゃ、マジで遅刻しちゃいますよ。助けて下さいぃ。」
例の子犬のような目でふたりを見た。その目を見て、店長が命令した。
「おい、宙。ちょっと見てやれや。」
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