イジワル同居人は御曹司!?
想像以上に大きな乾いたシャッター音が鳴り私はビクリとする。

奏さんは音に反応したのか瞼がピクリと痙攣した。

マズイ!

枕の下に慌ててスマホを突っ込んで、目を瞑り寝たフリを決め込んだ。

モゾモゾと布団が動く。どうやらお目覚めのようだ。

「おっつ!」奏さんは短く声を上げた。

きっと私が隣にいたからビビったに違いない。

怒られたら嫌なのでたぬき寝入りを続ける。

「なんで…」と言いかけて、布団を捲る。

間違いを犯していないかチェックしているのだろうか。

怒り任せに起こされるかと思って、次にとるアクションを想定していたが、意外にも奏さんは不気味な沈黙を保っている。

目を閉じて様子を伺っていると、指先で私の髪をさらりと梳いた。

あれ…?

思いがけない仕草に肩透かしを食らう。

奏さんが近づいてくる気配がする。

次の瞬間、唇にふんわりと柔らかいものが触れた。

私はピシリと固まる。

ナ…ナ…ナ…ナンダコレハ

唇からじんわりと熱が伝わってくる。

避けることも、目を開ける事も出来ず私はただただ固まる。

唇から頬を通り額へと柔らかな感触が這っていく。

身体の芯がゾクリとした。

名残惜しむよう額から柔らかな感触が離れると、優しい手つきで頭を撫でられる。
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