イジワル同居人は御曹司!?
すっかり馴染みとなった事務所のようなシンプルな部屋。

奏さんはギシリとベッドに腰掛ける。

濡れた髪にVネックから覗く鎖骨がなんとも艶かしい。

目があうと、抱きしめられた感覚がフラッシュバックして、ドキっとしてしまう。

「じゃあ、プレゼンしてみせて」

奏さんは色素が薄くほんのりウェーブがかった髪をかきあげて資料に目を落とす。

その仕草が妙に色っぽい。

「紗英?」

ウダウダしている私に奏さんがチラリと上目で見上げる。

慌てて咳払いをして見惚れていた事を誤魔化す。

「あ、あの、スーツ着て貰えませんか?」

「は?」

奏さんはメッチャ怪訝な表情を浮かべた。

『ごめんなさい。お風呂上がりの貴方は無駄に色気があるので集中出来ません』

…なんて言ったら完全に変態なので「その方が臨場感が出ると思うんです」と苦しい言い訳を言ってみる。

「どうした?紗英、ヤル気だな」

しかし、奏さんは素直に受け止めて、嬉しそうにニヤニヤしている。

クローゼットからスーツを着ると上だけ羽織ってくれた。

スウェットにスーツはハッキリ言って変な格好だ。

よし、これで大丈夫。
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