イジワル同居人は御曹司!?
「やっぱり寂しい?」

桜井の顔を上目で見上げると、バチリと視線が合ってしまった。

その時、私が乗る神奈川方面行きの電車が駅のホームへ滑り込んで来る。

「藤田もやっぱりいるのか?実は付き合ってるヤツとか」

「私はいないよ、残念ながら」私は肩を竦める。

「それだったら寂しくない」

「へ?」

電車のドアが開き一斉に人がホームに降り立つ。

「また来週」

桜井は微笑みながら手を振る。

「あ、うん。おやすみ」

ペコリと頭をさげて電車に乗り込むとドアが閉まる。

ガタンと揺れて電車はゆっくり動き始めた。

さっきのって、どういう意味だったんだろう。

聞くタイミングをスッカリ逃してしまった。

まぁ、女ったらしの性格じゃきっと深い意味なんてないよね。

気分を切り替え暫く電車に揺られていると、スマートフォンが振動する。

画面をタップして開くと桜井からLINEが届いていた。

『今回のことでは色々世話になった。今度ご馳走させて』

文面を見て私は思わず息を飲む。

知らないところでフラグは立っていたらしい。
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