イジワル同居人は御曹司!?
経営会議は上手くいった。

桜井から食事に誘われた。

「紗英」という名前の割にはイマイチ冴えない私の運気が一転して急上昇?


「ひゃっはー!」

ただいま、という代わりに梨の妖精のような叫び声を上げる。

「おい!静かにしろよ!」

不機嫌な顔をしたメガネが、リビングからヒョッコリと姿を現す。

「こりゃどうも、奏さん。飲みすぎちゃいましたー」

私は玄関に座りハイヒールを脱ぎ捨てる。

「その様子を見ると聞くまでもないな、酔っ払い」

私は立ち上がるり、えへん、と得意気に笑う。

「もうバッチリでした~!役員達のハートをガッツリ鷲掴みですね!」

いつの間にやら桜井のハートも掴んじゃってたみたいだし!

…と、まではさすがに言えない。

「上手くいったみたいだな」

奏さんは茶色い瞳を和らげる。

私は千鳥足でリビングへ向かい、どかりとソファーにの上に腰を下ろした。

テーブルの上には起動されたままのノートパソコンが置いてある。

きっと仕事をしていたのだろう。

ほれ、と言って奏さんはミネラルウォーターの入ったグラスを差し出す。

よく冷えていて一気に飲むと頭がキンと痛んだ。
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