イジワル同居人は御曹司!?
「何かちょっと歌いたい気分!」

私は桜井に水を差された反抗心から90年代のポップスを大声で歌い始めた。

「あーもー!」桜井は私の口を手で塞ぎ、人気のない通りに連れ込んだ。

「いい加減にしろよ!」

桜井の可愛い顔が引きつってる。

素面なら温厚な桜井を怒らせた時点で、慌てて平謝りするけど、酔っぱらいの私は強気である。

「だってーカラオケ行きたかったんだもーん」

私は唇を尖らせて、拗ねた顔をする。

「藤田はそんなに俺と一緒にいたいの?」

桜井は私の肩を掴み距離を縮める。

「いや、そうゆう訳じゃ…」

桜井に強気に出られて形勢は一気に逆転。

私は焦って、アルコールで紅潮してしている頬を更に赤くする。

「本当そうゆう表情反則だろ。俺がどれ程我慢してるか解ってる?」

桜井の目は真っ直ぐ私を捕らえる。
いつもの可愛い桜井とは違う態度に私は動揺してしまう。

ど、どうしよう。どうしよう。

桜井は私の腰に腕を回して引き寄せる。

髪に鼻を埋めると「超いい匂い」と言ってギュっと私を抱きしめた。

「藤田、今日は俺の家に一緒に帰ろ」

耳元で桜井は甘い声で囁く。
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