イジワル同居人は御曹司!?
「俊くんが自分で起こした会社を誰かに売る訳ないじゃない!どう考えたって、後継ぎはお兄ちゃんでょ?!」

女性陣は「そーだ!そーだ!」「いい加減腹を括れ!」とヤジを飛ばし歩を援護する。

従兄の一馬は訳も解らず、阿呆そうな顔でポカンと成り行きを眺めている。

「ああ!」と言って俺は額に手を当てた。

「残念ながら俺は独身だ!これじゃジジイのポリシーに反するな」

最後の切り札を出して俺はニヤリとほくそ笑む。

何故かジジイは『一家を養う主を後継ぎとする』という妙な信念を抱いている。

そのため、独身の俺は後継ぎとしての資格を得ていない事になる。

「後を継いでからでも結婚なんていっくらでも出来るじゃない!」

佐知子おばさんはゴソゴソと紙袋からお見合い写真を取り出しテーブルの上にズラリと並べた。

「下は20歳から上は40歳、職業も女医さんから家事手伝いまで様々なお嬢さん達をラインナップしてあるわ」

「佐知子おばさん、この中に男性のお見合い相手はいないのか?」

俺の発言で会議の場が氷りついた。

佐知子おばさんはさり気なく一馬の耳を塞ぐ。

「ああ、残念だな。男性がいないんじゃ俺の性的趣向に合う相手がいない」

俺は大ウソをつく。
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