イジワル同居人は御曹司!?
「カンパーイ!」

満面の笑みを浮かべて桜井がグラスを掲げた。

本日は社内賞の祝賀会。

会社近くにあるダイニングバーの2階を貸し切り、総勢25名でお祝いだ。

当初の予定から5名多くなったけど、桜井は忙しい最中、参加者の招集だけでなくお店も探してくれたので、目をつぶる事にした。

システム会社やデザイン会社の関係者に紛れて、奏さんの姿を発見する。

今日も紺地にストライプが入った細身のスーツを身に纏い、ため息が出る程素敵。

が、しかし隣は同期の栞がちゃっかりキープしている。

関係ない栞がなんで来てるのよ!

きっと単純な桜井が、魔性の女である栞のおねだりにほだされて呼んだに違いない。

栞なら実費でいいから参加する!くらい言いかねない。

しかも桜井が誘ったコスメ事業部の綺麗どころも、奏さんと小泉氏の元に集中している。

桜井に一任した事を今更ながら後悔した。

「藤田さん、今から人でも刺しに行くような顔をしてないで、お酌しに行きましょう」

ゆうぽんが差し出した瓶ビールを受け取る。

そんな恐ろしい顔をしていたのだろうか。

だって、私だって奏さんと一緒に飲むのは半年ぶりくらいだ。

すぐにでも栞を押しやって、周囲を完全無視しながら二人でしっぽり飲みたいくらいだ。

それぐらいのご褒美が合ったっていいはずだ。私は頑張った。
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