イジワル同居人は御曹司!?
「後で羽瀬さんのところにお酌しに行けばいいじゃないですか」

ゆうぽんは私の思考を見透かしたのか励ますように声を掛ける。

「そ、そうだね。そうだね」

これは仕事、と自分に言い聞かせ、なんとか怒りを鎮める。

気を取り直してお礼の言葉と共にお酌をして回った。


…しかしながらそうは問屋が卸さない。

「いやー藤田さんと一緒に仕事が出来てよかったです」

気付けばシステム会社のリアル理系男子達に取り囲まれていた。

いい人達なのであんまり悪い態度は取りたくないけど、かれこれ一時間は拘束されている。

此処のお店は2時間で予約しているので、チャンスは後43分しかない。

さっきもトイレに行くついでに席を外そうかと目論んだものの、理系男子のリーダーに「藤田さん!こっちですこっち!」と大きな声で呼び戻された。

桜井もデザイン会社の女の人達と仲良くお喋りしている。

その隣にちゃっかり座り、楽しそうにしている山下の姿を見たら無性に腹が立った。

奏さん達のテーブルは栞とゆうぽんがいるので、見事にそれぞれが分担し、もてなすような構成になっちゃっている。
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