イジワル同居人は御曹司!?
「み、み、見ないでください。お願いします」

スッピンの事に触れられるのは耐え切れない程恥ずかしい。

「何故ですか?スッピンの方がいいと思いますけど」

「スッピンは…耐え難いほどの羞恥を掻き立てます」

私が真っ赤になって言うと、彼は堪え切れずに吹き出した。

「昨晩はあんな強引だったのに…今更ですか?」

「それとこれとは別問題です」

私は俯いたまま、顔を上げる事が出来ない。

「解りました。もうスッピンの事には触れませんし、顔も見ません」

さ、食べちゃいましょう、と言って彼は再び料理に手を付ける。

なるべく目を合わせないようにして、仕事のことや、たわいもない会話で私達の間に流れる空気を和ませてくれた。

彼は嫌がる事を冷やかして面白がったりしない。

昨晩ベッドの中でも、ずっと私を気遣ってくれたので安心して身を委ねる事が出来た。

今まで寝てきた人達の独り善がりの行為とは大違い。

そして美味しい朝食まで用意してくれちゃって。

彼は…出来た人間だ。

欠陥だらけの私とは大違い。
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