イジワル同居人は御曹司!?
「青池さん」

朝食の片付けをしていると声を掛けられる。

一宿一飯のお礼に食器洗いくらいは、と買って出た。

「僕はこれから持ち帰った仕事をしないといけないのですが、青池さんはどうします?」

「ああ…帰ります」

きっと彼は其れを望んでいるだろうから。

「駅まで送ります」

そう思ってても、引き留めてもらえない事にガッカリしてるなんて。

「大丈夫です。多分解りますから」

これ以上、彼に優しくしてもらいたくない。

何だ…この変な気分。

きっとスッピンなのがいけないんだ。

メイクをすればこんな鬱々とした気分も晴れるに違いない。

食器洗いが終わると、私は完璧なメイクを施し、お気に入りのミニスカートを履く。

うん、やっぱコーディネートはこうでねーと

私とした事が…こんなおっさんみたいなギャグを言うなんて。

「じゃあ、帰りますね」

彼が玄関まで見送ってくれる。

私と彼の間には何もない。

ただの取引先の人ってだけ。

だから次会う約束も出来ない。

彼もそんな気はないだろうし。

どうしたんだろう。

急に気分が塞ぎこんでいく。

メイクも服もバッチリなのに。
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