イジワル同居人は御曹司!?
食事を終えた奏さんが、リビングのソファーに座って寛いだ様子でテレビを見ている。

お腹がいっぱいになり、リラックスしたタイミングを見計らって、さりげなく隣に腰を下ろす。

「あのー、奏さん」さりげなく声をかける。

「なに?」

いつもより私に向ける視線も鋭くない。どうやら機嫌は悪くないらしい。

「今度一緒に飲みに行きませんか?」

「いつも一緒に飲んでるじゃないか」

確かに。

さっきまで一緒に晩酌してた。

「そうゆうんじゃなくて歩と私の同期と一緒に…」

「断る」

…瞬殺。

最後まで言わせてもらえなかった。

「み、みんな歩のお兄さんと飲みたいっていってるんです」

奏さんは不愉快そうに眼鏡の奥の目をスッと細める。

「どうせ桜井さん辺りがいってんだろ」

さすが奏さん。お見通しだ。

「さ、桜井だけじゃありません」

図星をつかれて私は口籠った。

「ご機嫌取りに必死だな」

奏さんはフンと鼻で笑った。

私は恥ずかしさのあまりにカッと顔が熱くなる。

「そ、そんなんじゃありません」

「紗英のメンツを保つために見世物になるのはごめんだ。生憎俺は暇じゃない」

奏さんは私の申し出をバッサリと切り捨てる。

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