イジワル同居人は御曹司!?
ま、避けた所で結局顔は合わせるんだけどな。仕事で。

今日は定例ミーティングの日だ。

「お元気そうで、藤田さん」

奏さんはにっこり笑顔で嫌味をかます。

「羽瀬さんもお元気そうで」

私もにっこり笑顔で返す。

ミーティングの挨拶にしては些か変わっているが、奏さんの部下小泉氏はさして気にも止めてない様子。

コンサルタント2人は、定位置となった席につく。

本日のメンバーは桜井、ゆうぽん、山下、桜井んとこの若い男の子、私、以上!

いつの間にか加藤課長はフェードアウトしていた。

これがWeb改修プロジェクトに選抜されたタスクフォース―――選抜メンバー―――である。

社運を掛けるプロジェクトのはずが、これじゃヘッポコ呼ばわりされても仕方ないかもしれない。

パソコンにプロジェクターを接続し、資料をスクリーンに映そうとするが、お目当ての資料をなかなか探し出せない。

モタモタしていると「どうした?」と桜井が様子を見に来てくれた。

「資料をワーキングの共有フォルダに入れといたんだけどアクセス出来ない」

私は眉根を寄せる。

貸して、と言って桜井はパスワードとアドレスを打ち込んで、アッという間に探し出してくれた。

「あ、ありがとう」

桜井は答える代わりにニコリと微笑んだ。

同じパソコンを覗きこんでいたので、顔の距離がいつもより近い。

思わずドキっとしてしまった。

いかんいかん、仕事中なのに不謹慎だ。
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