イジワル同居人は御曹司!?
「藤田さん、始めてよろしいですか?」

ポーっとしているとメガネに声を掛けられる。

今度は違う意味でドキっとした。

「あ、どうぞどうぞ」

では、と言って奏さんはミーティング開始する。

「本日は現状のサイトについて問題と思っていることを検討出来ればと思います」

「顧客より寄せられた資料を用意いたしました」

桜井にアイコンタクトされパワーポイントで作成した資料をスクリーンへ映しだす。

資料を基に現状のサイトの課題について検討していく。

例のごとく奏さんはうちの社員か?と思うほど見事な仕切りっぷりだ。

「見づらい、解りづらい、カートの導線が長い、という意見が結構多いようですね」

一通りの意見を出し終わり奏さんがザックリまとめる。

「まぁ、一言で言えば買い物しづらいっすよね。うちのサイトって」

ゆうぽんがくるくるとペンを回しながら言う。

「見ただけでわかることも結構多いなぁ」

桜井がゆうぽんの意見にふむ、と頷く。

「今回のプロジェクトはユーザビリティの高い戦略的なサイトを作ることをメインの課題にしていきたいと思っています」

奏さんはテーブルの上で手を組んでメンバーを真っすぐ見据える。

「現在の状況を見る限り、まず対応策を具体案に落とすことが必要ですかね」

議事録を取りながら小泉青年が意見を述べる。

「そのためにはログを抽出して、一先ず現状の分析してみましょう」

「藤田さん」奏さんに声を掛けられ、不意打ちで教師に指された生徒のようにピ

ンと背筋を伸ばし「はい!」と返事をする。
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