イジワル同居人は御曹司!?
ミーティングの後、16階のフロアに戻ろうとすると廊下で「藤田」と桜井に呼び止められる。

「例の飲みの件って羽瀬歩に話してくれた?」

「お兄さんに聞いたら生憎暇じゃないって言われた」

桜井がきょとんとした顔をしたので「…らしい、歩が」と付け加える。

「それ本当か?羽瀬兄ってそんな感じ悪い事言う人には思えないけどなぁ」

桜井は単純だからスッカリ外面に騙されている。

訝しい視線を向けられて、私が嘘をついているような感じになっちゃってる。

「なんか、歩とお兄さんってソリが合わなくてあまり仲良くないみたい」

これは本当。

「そっくりなのに?」

「もしかしたら色々あるのかもしれないね」私は肩を竦めた。

「機会があれば直接羽瀬さんを誘ってみたらいいんじゃない?親睦を深める名目で」

もう私を巻きこまないでね、と暗に意味して言ってみる。

それいいね、と桜井が無邪気に笑う。

こうゆう素直なところが彼は非常に好ましい。

私は頷きながらニッコリほほ笑み返した。
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