黄泉の本屋さん



「浅葱、お願い!」

「ですが、無闇なことを言わないように。亜紀さんを怖がらせたり、傷つけてしまうようなことは決してあってはいけませんから」

「わかった」




頷いて見せると、浅葱も頷き返してくれる。
そして、浅葱が扇子を一振りする。

私自身なにも変わった様子はなかったけど、浅葱に視線で促され、亜紀さんに声をかけることにした。




「あ、あの」




恐る恐る声をかける。
でも、反応がない。

あれ?
やっぱり見えるようになんてなってない?



「あの・・・」




気を取り直しても一度呼ぶと、亜紀さんが肩を震わせ顔をあげた。
あ、聞こえてる・・・。




「あ、すみません。私ですか?」




優しい瞳が私をとらえ微笑んだ。
私は息をのんで、小さく頷く。




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