めんどくさがり系女子の恋愛事情

「…隣の席だったんだね。」


「え、今さら？」



高野くんが驚くのも無理はない。


本当に今高野くんが隣の席の人だということに気がついたのだ。


席替えして2週間はたっているはず…。



「ご、ごめん。全然気づかなかった…。」



「まぁ、いいよ！

改めてよろしく！青山さん。」


そう言いながら笑ってくれる高野くんは優しさの塊だと思う。


バ○ァリンの半分が優しさなら、高野くんは丸ごと優しさだ。


桃のお返しを受けた今、優しさがしみわたる。


「…ありがとう、高野くん。

今ならこの辛い現状を受け入れられる気がする。」


「そんなに辛いのか(笑)」　


「高野くん、これは笑い事じゃないのだよ。

私にとっては死活問題だ！」


「ぷっ…青山さんてやっぱり面白い人だね。」



なんか笑われてるし、失礼なこと言われてる気がするけどかまってる暇はない！

今はこの体育祭をいかにして乗りきるかという問題を解決せねば！


変なスイッチが入ってしまった私は、高野くんがこっちを見ながら


「ほんとかわいいな。」


と呟いてることに気づかなかった。