めんどくさがり系女子の恋愛事情


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「桃、さっきのはどういうこと?」


昼休みになりお弁当を広げながら桃に聞く。

めんどくさい行事に参加しなければならなくなった私の声は思ったより低かったらしい。

その証拠に桃がビクッと肩をすぼめていた。


「…無理矢理だったのはわかってるよ…。

でもそうでもしないと、夏美は絶対行事に参加しないじゃん!

それに渡辺明美に呼び出されたのに黙ってたことだって!

納得はしたけど、許してないんだから!」


やっぱり許してもらえてなかったのか…。


「黙ってたことは謝ったでしょ?

今後は何かあればちゃんと言うから。」


「それ前にも聞いた!」



…そうだったっけ?

過去の自分を軽く呪いたい…。


呆れてるのか怒ってるのかわからない顔をする桃。

すっかり形勢逆転されてしまった。



「それにせっかくの高校生活を『めんどくさい』ですませてほしくないの!

去年の行事は全部休んでたでしょ?

黙ってたこと、申し訳ないって思うなら今年の行事は参加してもらうから!」


「ちょっと待って、体育祭はわかるけどなんで他のものまで…。」


「私が一緒にやりたいから。

それじゃ理由にならない?」


…どっかで聞いた台詞だな…。

あ、自分で言ったのか。

言うのはいいけど、言われると何も返せなくなるんだね。

ちょっと反省。



「わかったよ…やればいいんでしょ。」


「わかればよろしい。」


さっきとは違ってにこにこ笑ってる桃。


あーこんなはずではなかったのに…。

どう足掻いても今年はめんどくさいことをしなければならないという事実に、ガックリとうなだれた。




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