めんどくさがり系女子の恋愛事情
昼休みがさんざんだった私は午後の授業をすべて寝て過ごした。
それがまずかったのかもしれない。
「…み!夏美!もう、夏美ってば!!」
うるさいアラーム音によって起こされた。
あいにく寝起きは悪いため、いつもより機嫌がよろしくない。
「…るさい。」
「何回起こしたと思ってんの!?
もう放課後だよ!」
…え、そんなに寝てた?
今まで放課後まで寝てたことないのに…
桃の尋問が相当きつかったんだな。
「…それはごめん…帰ろ。」
徐々に覚醒してきた私はノソノソと帰る準備を始めた。
「はい、これ今日のノート!」
「ん、ありがと。」
桃から渡されたのは数冊のノート。
どの授業でも必ず20~30分は寝るため、黒板の文字をうつしきれない。
それではまずいということで、桃は毎日放課後になるとこうしてノートを渡してくれる。
これも恩返しの一環なのかはわからないが、このノートのおかげで高校に通えているといっても過言ではない。
なんだかんだで優しくて友達思いなのだ、桃は。
…本人には口が裂けても言わないけど。
そう感謝の思いに浸っていると黒板の文字が目に入ってきた。