めんどくさがり系女子の恋愛事情
なんで桃まで反応してんの?
さっきまで無視を決め込んでたのに
「高野くんに助けてもらったんだ、へー」
「修也が青山さんを助けたんだ、ほー」
途端にニヤニヤしだす桃と古賀くん。
なんだなんだ、私の今の発言に何か問題でも…?
…この2人、同じにおいがする…キケンだ。
「あ!クラスの奴らの名前知ってるってことは、俺の名前も知ってる!?」
表情がコロコロ変わって忙しい人だな、古賀くんて。
正直めんどくさい。
「古賀健人、でしょ。」
少しめんどくさいオーラを出しながら答えてみたが、キラキラオーラ全開の古賀くんには敵わないようだ。
「おー!ほんとに知ってんだ!
青山さんのこと勘違いしてたわ!」
…どう思ってたのか知らないけど、いっそのこと勘違いしてくれてたほうがよかったかもしれない。
というか両手を広げてハグしようとするな古賀健人!
誰かこの暴走を止めてくれ!!
「はいはい、そこまで。
突っ走るの、お前の悪い癖だぞ。」
「ぐわっ!何すんだよ!」
…救世主(メシア)ー!
古賀くんの襟元を掴んだ高野くん。
そのおかげで私は助かり、古賀くんは苦しそうだ。
やっぱり高野くんは優しさの塊だ。うんうん。
一人で納得している間に彼は古賀くんを連れてどこかへ行ってしまった。
「さて、邪魔者はいなくなったことだし…。
高野くんに助けてもらったって話、詳しく聞かせてもらおうじゃないの。」
…一難去ってまた一難、とはまさにこのこと。
残りの休み時間が桃の尋問によって過ぎていったことは言うまでもない。