めんどくさがり系女子の恋愛事情
外に出るとクラスメイトたちが練習をしていた。
みんな部活とかないんですか…。
「先生ー夏美連れてきましたー。」
「お!やっときたか!
待ちくたびれたぞ!!」
朝と同じテンションで迎えられた私たち。
元気だなぁ…。
「よし、じゃあ早速だが青山!
1回100m走ってくれ!」
「…はい。」
さすがにここに来て断るほど馬鹿じゃない。
制服のスカートの下にズボンをはき、上はブラウスという何とも言えない格好だが、走れないこともない。
軽く準備運動をしてからスタート位置につく。
久しぶりだな、この感じ。
「位置について、よーい、どん!」
いつもなら気の抜ける合図だなと思うところだが、私は走りに集中していた。
風と一体になるこの感じ、この瞬間が好きだった。
全身で風を受け止め、前へ前へ進めー…
気が付いたらもう100mを走り切っていた。
「おー!」
「なんだあれ、めちゃくちゃはえーぞ。」
クラスメイトからの感嘆の声。
ドクドクと鳴る心音。
耳元で聞こえる風の音。
すべてが重なって、久しぶりの感覚に涙が出そうになった。