めんどくさがり系女子の恋愛事情



「青山ぁ!

お前すごいな!

こんなに速く走れんのか!

普段もこんだけキビキビしてくれたらいいんだけどなぁ!」


ガッハッハーと笑いながら背中をバシバシと叩く担任。

いや、それ真面目に痛いです…。

ははっと乾いた笑いしかででこない。


「いやーこれなら心配いらないな!

あとはリレーのバトンパスだけ練習したらばっちりだ!」


…そのバトンパスが一番心配なんですけどね、ははっ。


「よし、じゃあ帰っていいぞ!」


「え?もうこれで終わりですか?」


この人のことだから遅い時間まで練習させられるのかと思ってた。


「ん?意外か?

まあ、本音を言えば部活と同じようにやりたいけどな!

でも今無理させて本番出られなかったら意味ないからな、練習はまた明日だ。」


…意外と生徒思いでいい人なのかもしれない。



「それじゃ、解散!」


担任の言葉を聞いたクラスメイトたちは


「やべっ、顧問にしばかれる!!」


と言いながら各々散っていった。


…やっぱり部活あったんじゃん…。



「なーつーみ!

やっぱすごいね!全然衰えてない!」


「衰えるって私はババアか(笑)」


「だって中学のころと全く一緒だったんだもん!

ほんとかっこよかった!!」


目をキラキラさせながら言う桃。

そんな真正面からかっこいいと言われると、さすがの私も照れる。


「はいはい、ありがと。

ほら、帰るよ。」


「えっ、待ってよー!」



だからちょっとぶっきらぼうになるのは私の照れ隠し。


いつもより少し遅い時間の通学路。

こういうのもたまにはありかな、なんて柄にもなく思った1日だった。








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