めんどくさがり系女子の恋愛事情
「なんか意外だな。」
「え?」
意外?
…そりゃそうか、普段の私を見てる人からしたら、こんなめんどくさいことしてるのは変だよね。
そう思うのも無理ない。
自分がどう思われてるか、わかってるつもり。
だからこそ、練習していることを知られたくなかった。
「意外と負けず嫌いなんだね。」
「…そっち?」
高野くんの予想外の答えに思わずツッコんでしまった。
たしかに私は負けず嫌いだけども。
「そっち、て…逆に何のことだと思った?」
「…めんどくさがりな私が朝早くから練習してるから、変だと思われたのかと…。」
「ふふっ」
え、笑われた…?
今笑うところじゃない、よね?
「なんで笑うんですか、高野くん。
結構真面目に言ってるんですケド。」
「あ、ごめんごめん。
そんなこと気にしてたなんて、かわいいなって思って。」
そんなことって、私にとっては問題なんですけど!
あとかわいいっていうのは完全にスルーの方向でいきます。
「…だって人から変に思われてたら、やっぱへこむじゃないデスカ。」
「敬語の次は片言な日本語?」
…別に好きで片言になっちゃったわけじゃないし。
まだ笑ってる高野くん。
…さすがの私もそこまで笑われたらへこみます。
口をとがらせていじけている私。
何か変な図が出来上がってしまった。
ようやく笑いが収まった頃、高野くんは口を開いた。
「変だなんて思わないよ。
ただいつも無表情の青山さんは意外と負けず嫌いなんだなって。
また1つ、青山さんのことが知れて嬉しいなって思っただけ。」
…え?
私のことが知れて嬉しい?