君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
汲みとったらしい新庄さんが、身体を離して、シャツを頭から抜いてくれた。
まだ少し湿っている髪をほぐしながら、不思議そうに言う。


「なんでいつも、俺からなんだ?」


それは、私が新庄さんの身体を、好きだからだ。
初めて見た時、こんな均整のとれた、綺麗な身体があるものかと、見とれた。

程よくついた筋肉と、うっすらと覆う脂。
鎖骨から肩にかけて、すらりと伸びる骨。
しなやかな腕。

見ているだけで幸せなので、邪魔な服なんか、さっさと脱いでほしいのだ。
言わないけど。

裸の喉に、キスをする。
やっぱり、まだ熱い。

新庄さんが、私を包みこむように抱きしめてくれる。
背中に回った腕が、服を引っぱりあげて、腰のあたりを直になでる。

片手がふいに前に回ったと思うと、履いていたクロップドパンツのボタンとファスナーを、一瞬で外された。

あまりの手際のよさに驚いて、思わず見あげると、少しの非難のこもった視線に気がついたらしく、にやりと笑う。


「こういうのが嫌なら、よそへ行けよ」


あぜんとした。
開き直った…。

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