君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
え?

新庄さんが、身体を折って、私が触った場所を押さえている。
吸おうとしていたらしい煙草が、箱ごと落ちて、ばらばらとシートに散っていた。

あっけにとられる。

ちょっと、反応のある場所だなと思ってはいたけれど、ここまでとは。
この間は、よほど我慢していたのか。


「運転中は、絶対触るなよ…」


押し殺した声で、そうにらみつけられ、はい…と言うしかなかった。

新庄さんが、エンスト。

私はこらきれなくて、新庄さんがガンとクラッチを切って不機嫌にエンジンをかけ直す間も、涙が出るほど笑った。


私は、けっこう自分から攻めるのも好きなんだけど、新庄さんは、あまり身体に触らせてくれなかった。
もしかしたら案外、弱点がたくさんあるんじゃないだろうか。


「どこ行くか、決めろよ」


とげとげしい声に、再度笑ってしまう。

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